色覚バリアフリー
色覚バリアフリーとは、色覚異常(色弱・色盲)の方を含む、色の識別が困難な方々が、支障なく暮らすことができる社会です。
バリアフリー社会への移行は、現代社会のさまざまな分野で進められていますが、障害者や体の不自由なお年寄りへの、いわゆる福祉という考えだけでなく、社会の少数者や弱者に不利にならない社会を実現するという意味において、企業や経済活動でもバリアフリーは盛んに取り組まれています。
色覚異常の方は、男性の20人に一人という大グループである反面、現代社会では、色に頼る情報が増え、そこで使用される色も多彩かつ繊細さを増し、特定の方々に大きなバリアとなっています。
そのため、色覚バリアフリーの考え方は、特に、地下鉄の路線図や学校の教材など、公共的な社会基盤から進められています。
カラーユニーバーサルデザイン
バリアフリー社会を推進する考え方の中に、年齢、性別、障害の有無などにかかわらず、誰にでも情報が伝わり、使いやすいように、製品、建造物、設備、交通、機関などをデザインする、「ユニバーサルデザイン」の理念があります。
この理念のもと、色覚異常(色弱・色盲)の方にも見やすい色づかいに配慮したデザインに「カラーユニバーサルデザイン」という言葉が使われています。
この考え方を提唱したのは、2004年に設立されたNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)で、カラーユニバーサルデザインの認証機関として、またカラーユニバーサルデザインの推進機関として、幅広い活動を行っています。
色覚バリアフリーの重要性は、最近急速に認知されるようになり、企業や自治体によるカラーユニバーサルデザインの採用が広まりつつあります。(下表参照)
色覚バリアフリーを、色覚異常(色弱・色盲)の方より進める方法が、色識別専用のメガネです。
(株)ワールドマンセルのカラービューは、色弱、色盲とされる方が混同、誤認しやすい色に対して、明るさや色のバランスを変えて見分けやすくすることを目的に開発されました。
色覚専門医の指導の下で開発されたもので、使用者のみなさんからは、色覚のバリアが解消したという声が聞き取れます。
「カラーユニバーサルデザイン」の採用例
- 地下鉄マップ「TOKYO」
- 鉄道マップOsaka
- 名古屋地下鉄マップ
- 埼玉県 「色覚バリアフリーガイド」
- 東京都世田谷区 「ユニバーサルデザインガイドライン」
- 社団法人日本広報協会 「月刊「広報」10月号」
- 草加市立市民病院 病院の配色と案内表示のデザイン
- 横浜市都築区 「区民に配付する散策地図」
- 株式会社リコー 「デジタルカラー複合機」
- コクヨ株式会社 レーザーポインター」
- パイオニア株式会社 「カーナビゲーション」
- 昭文社 「各種業務用地図」
- 伊藤光学株式会社 色弱擬似フィルタ「バリアントール」
- あさひ高速印刷株式会社 「関西空港ガイドブック」
- シャープ株式会社 「デジタルカラー複合機」
- 日本理化学工業株式会社 「5色のチョークセットの色合いの調整」