色覚異常(いわゆる色弱・色盲)についての情報サイトです。

色弱検査(色覚検査)

色弱や色盲(色覚異常)の方にとって、就職と進学は心配の種です。しかし、広く行われている色覚検査は、色覚異常を発見することのみを重視したもので、短絡的に職業制限に結びつくものではありません。

色弱検査(色覚検査)と進路

色覚検査にて使用される検査表は、一般的に石原式色覚異常検査表によるもので、この歴史は、大正時代の徴兵検査での「色神検査」に始まったものです。
検査表による色覚異常の発見精度は高いものの、軍隊での適正を計る基準であるため、現代における職業の適不適正にはあまり意味を持ちません。

以前は学校検診の際に石原式色覚異常検査表により色覚検査を行っていましたが、平成14年3月29日付けの文部科学省通知「学校保健法施行規則の一部を改正」により、平成15年度より色覚検査が学校での定期健康診断時において必須検査ではなくなりました。
また、現在では、色覚異常(色弱、色盲)の方に対しての、入学の際や就職等における制約の撤廃、職業適性や身体検査基準の基準緩和など、見直されつつあります。

そのため、石原式色覚異常検査表での検査にて色覚異常(色弱、色盲)のため不合格となっていた職種も、2001年から労働安全衛生法で雇用者に義務づけられた就職時の健康診断の必須項目の中から、石原式色覚異常検査表等での色覚検査が廃止され、現在は問題なく工業系への進路や就職できることが多くなっているようです。
しかし、雇用者が任意に検査を実施することを禁ずるものではなく、企業によっては現在も就職時に石原式色覚異常検査表などでの色覚検査を行っている所もあります。
また、色覚検査が実施されなくなったために、気づかずに進路を決めたところが、直前に資格がないことに気づいたということが、今後数多く起こる可能性があることも懸念されています。

私どもが実際に色覚異常(色弱、色盲)の方よりお伺いした話では、工業系などへの進路や就職は問題なかったが、実際の仕事の中で色覚異常により不都合を感じる場面があるとのこと。
就職試験の際に、石原式色覚異常検査表での色覚検査があり。色覚異常(色弱、色盲)の為に試験を受ける前に進路を絶たれた方もいらっしゃいました。

色弱検査(色覚検査)と職業制限

特別に色の識別が必要とされる職業、例えば信号などの識別が重大な結果を招く交通関係などには、色覚異常による制限があります。
また、国家試験においても、消防士やパイロットなど、あるいは劇薬物取り扱い責任者やふぐ調理士など、資格制限のあるものも少なくはありません。
尚、かつては色覚異常(色弱、色盲)の方は不適格とされていた職業、例えば、医師、電機関係、染色・塗装・繊維・色材料の仕事,建築家,種々のデザイナーなどは、今では制限はなく、すでに活躍されている方も多くいらっしゃいます。

しかしながら、一般企業に関しては、どの職種が大丈夫でないかは一概には言えません。
例えば、同じ職種でも、扱う商品やサービスの内容などによって、A社には制限があってもB社にはないといったことがあります。
また、その根拠は企業それぞれで。根拠があって色覚異常(色弱、色盲)の方の制限があるところもあれば、根拠が曖昧で、単に以前から色覚検査を行っているのでということで引き続き行っている所もあるようです。
あるいは、就職試験の際に色覚検査を行っているが、その結果で色覚異常(色弱、色盲)と判断されても問題なく就職はできるという企業も少なくありません。

色覚による制限の情報を知る手段がない為に、自分が色覚異常(色弱、色盲)だとわかっている場合それらの学校への進路や仕事に就職される事を諦めた方もいらっしゃいました。
しかし、色覚異常(色弱、色盲)を即、職業の制限に結びつけるのは短絡すぎます。一般に色覚異常の人には難しいだろうとされる業種でも、企業によっては採用しているところもあり、医師の診断書の提出などによって採用される場合も多くあるようですので、まず、問い合わせてみればいかがでしょう。

現在ではまだ稀ですが、色識別を補助する『カラービュー』を使用する事を条件として就職試験の際の合格を出して頂いた企業や、今までは任せてもらえなかった仕事内容も『カラービュー』を使用する事によって、任せてもらえるようになったというお声も頂戴いています。
尚、ご自身が色覚異常(色弱、色盲)なのか不安な場合には適切な医療機関にて受診いただく事をおすすめ致します。

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